私の住んでいる区では、ファミリー農園を借りることができます。
競争率は高いのですが、昨年やっと当選しました。2年目となる今年もがんばって家庭菜園を楽しみたいと思います。
突然ですが、ここでクイズです。
この写真は、何の芽でしょうか? 答えは、6月上旬に発表します。
また、成長する過程をお届けします!!
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私の住んでいる区では、ファミリー農園を借りることができます。
競争率は高いのですが、昨年やっと当選しました。2年目となる今年もがんばって家庭菜園を楽しみたいと思います。
突然ですが、ここでクイズです。
この写真は、何の芽でしょうか? 答えは、6月上旬に発表します。
また、成長する過程をお届けします!!
スーパーで一番好きな場所は果物コーナーです。
野菜よりも果物コーナーは季節をいち早く感じられるのが好きなところ。
苺と蜜柑と桃が好きで、店頭に並び始めると初物の時期に食べようか、もう少し待って旬が出始めるのを待とうか仕事帰りに悩むこともあります。
それぞれの食べ物に思い出がありますが、苺は「いちごスプーン」で潰して牛乳に浸しながら食べる。最後は苺ミルクとなった牛乳を飲み干して完食する瞬間が幸せです。
幼いころは親の目を盗んで練乳をこれでもかーー!とかけて、潰しながら食べるのも好きでした。
Aさんのお家で苺の絵を見たとき、とっても美味しそうで久々に苺牛乳で食べたくなりました!
デイサービスで作った作品を飾っていらっしゃるAさんのお部屋では、季節にちなんだ作品を時折見せて頂いております。
沢山の施設がある中で通っていらっしゃるデイサービスは幼稚園の施設と隣接しており運動会、卒園式、などイベントが近づくとメダルなどを作って園児にプレゼントしているようです。ポケモン、流行りのアニメにちなんだ柄のメダルなどを作られており、見せてもらいながら制作過程のエピソードを聞くのが密かな楽しみになってます。
節目の思い出と一緒に貰ったメダルは、隣のデイサービス先から貰ったな~と大人になってから思い出すきっかけや園児の記憶に残るかもしれなっと想像すると素敵だなと思いました。
追伸。
スタッフブログを執筆するようになり言葉の表現力を増やしたくて、本やブログを読むことが増えました。
と言っても元々文章を読むのも書くのも苦手なので本のジャンルは食べ物、食事、料理など自分が好きな「食」に偏りがちですが(^_^😉
お気に入りは
「わたしを空腹にしないほうがいい」著者:くどうれいん
「たべるたのしみ」著者:甲斐みのり
どちらの書籍も食べ物や食卓にまつわる話が書かれているエッセイ集です。
くどうれいんさんの本は短編集で読みやすくタイトルが俳句になっているもの面白いです。
ご興味があれば読んでみてください。
東京の病院・お医者さん検索サイト「東京ドクターズ 」に「あすかホームケアクリニック」HPが掲載されていますのでご紹介させていただきます。
黒木院長のインタビューもありますので是非チェックください。
東京ドクターズ
あすかホームケアクリニック紹介ページはこちら
総合医療情報m3.comにて
東京都北区の「あすかホームケアクリニック」黒木院長のインタビュー記事が掲載されています。
医療従事者専用サイトとなっておりますが、ご興味のある方は是非ご覧ください。
【m3.com】
特集 : シリーズ・私の開業記Vol. 488
「地域全体を1つの病棟に」モデルケースを自分が作る
※m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトになります。
>> あすかホームケアクリニックページはこちらよりご覧ください
こんにちは!2024年1月25日に「城北地域医療TSUNAGU PROJECT vol.1」が開催されました。あすかホームケアクリニックを会場として、総勢15名もの看護師さんや薬剤師さんにお越しいただきました!いずれも普段当院がお世話になっている頼りになる方々ばかりでした。
今回は緩和ケアの薬剤をテーマに当院川口医師による熱い講演が行われました。主に疼痛緩和のための薬剤について、それぞれの特性や選択基準、具体的な使用方法などについての講演でした。一口に疼痛緩和と言っても患者さんの状態やお気持ちに合わせて様々な薬剤の使い方があり、その使用方法は千差万別で、正に「オーダーメイド医療」という在宅医療の真骨頂といった内容だったのではないかと思います。最後は記念写真撮影をして無事終了となりました。
参加者の皆様も熱心にご清聴頂き、とても有意義な時間でした!今回ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました!
あすかホームケアクリニックでは日頃から「顔の見える医療」をテーマに、患者さんを中心とした地域の皆様との密接な連携を大切にして診療に当たっています。
今後も「城北地域医療TSUNAGU PROJECT」は定期的に開催させて頂きたいと思っております。今後ともあすかホームケアクリニックをどうぞよろしくお願い致します。
医学書院から出版されている「今日の治療指針 2024年版」に、鳳優会・藤元理事長が分担執筆しました。
「在宅医療」神経難病患者のケアの項目になります。
※【今日の治療指針 2024年版】とは
1959年の初版から長きにわたり臨床現場で使われてきた信頼と実績の最新治療年鑑
蜜柑がスーパーの果物コーナーに陳列され始めると、冬が来たと感じます。
様々なエリアのお家を訪問していますが、都内でもお庭に果物の木を育てている家が意外と多い印象。
当院の訪問診療エリアは広範囲ですが都内の主要駅付近も訪問しております。
桜の名所、写真映えする飲食街エリア、オフィスビルが立ち並ぶエリアなどなど。
一見、植物は街路樹もしくはプランターで育てるのは草花かなと思うのですが、一軒家のお庭に立派な木を育てているご自宅を見かけることが多々あります。
今回、訪問診療でお伺いしている患者様のお一人から立派な枝つき蜜柑を頂きました。
酷暑だったため、秋から実り始めた蜜柑は水分不足で「果実が割れてしまう」現象が起こっていました。
1年を通して先生と一緒に訪問する中で、季節のお花のこと、薔薇を綺麗に育てて、季節のお野菜をヘルパーさんと一緒に買い物するのを楽しんでいる患者様のお話を沢山聞いていたため、大事に育てている果実の木が元気に育ってくれたらと祈っていました。
枝付きの立派な蜜柑を頂いた時は、育つ過程を知っていたためとても嬉しかったです!
枝付きの蜜柑を食べるのは初めて。帰宅中に枝が取れたら鮮度が落ちるかな!?などドキドキしていたのですが、枝と蜜柑はしっかり繋がっていました。
スーパーで買う蜜柑はヘタが容易に取れてしまいますが、枝が付いているとヘタ付近の皮が厚くなっているな~と観察。
とっても甘くて、種もなく、美味しくいただきました!ありがとうございます。
2枚目の写真はデイサービス先で作ったリース。
色使いや装飾がとても素敵です。
こんにちは!
あすかホームケアクリニックでは日頃から顔の見える地域連携を大切にして診療に当たっています。
今回、地域全体を一つのチームとして捉え、地域連携をより円滑に行うことを目的として定期的な勉強会を企画させて頂きました。題して「城北地域医療 TSUNAGU Project」です!!
記念すべき第一回目は「緩和医療」をテーマに、近年の再診の薬剤についての勉強会を開催させて頂く予定です。講師は当院の緩和医師の川口医師になります。
皆様のご参加お待ちしております!!
詳細は以下の通りです!
あすかホームケアクリニック
院長 黒木卓馬
●訪問診療対応エリア●
北区・板橋区・豊島区全域
足立区・文京区・荒川区・練馬区・新宿区・川口市、戸田市の一部地域
お気軽にお問合せ下さい
TEL:03-5963-5980
FAX:03-5963-5981
Mail: asuka@homecareclinic.or.jp
こんにちは!あすかホームケアクリニックの黒木です。
今日は「認知症」についてです。脳神経内科を専門にしていることもあり、当院には日々数多くの認知症についての相談が寄せられます。
現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されており、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされております。その有病率は年齢とともに急峻に高まることも知られており、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されており、深刻な社会問題となっています。
在宅医療の現場でも認知症の患者様はたくさんいらっしゃり、在宅医療になる患者さんの半数は認知症が原因とも言われています。
中にはご家族もあまり気にせず、「年相応に」といって未加療で過ごされている方もいますが、認知症の進行によって急激にADLが低下したり、せん妄が強くなったりしてご家族が困ってしまうケースもあります。
認知症とは、「何らかの脳の病的変化によって、認知機能が障害され、それによって日々の生活に支障があらわれた状態」と定義されており、「加齢による物忘れ」と「認知症」は区別できます。
例えば、朝ご飯のメニューの一部を忘れてしまうなどは物忘れの範疇ですが、食べた事自体を忘れてしまうのは認知症の可能性が高いです。また、もの忘れに対する自覚症状がない場合も認知症である可能性が高く、ご家族に指摘されて相談されるケースが多いです。
認知症の原因の約68%はアルツハイマー型認知症と言われており、20%はレビー小体型認知症、その他脳血管性認知症などが続きます。特に、アルツハイマー型認知症では、認知症を発症する15年以上前から脳内での変化が始まっていると言われており、徐々に進行してゆくことから早期発見、治療介入がとても大切です。
幻覚症状や暴力的な言動などで介護者やご家族を悩ませてしまうことも多く、それが原因で自宅で過ごすことを諦めてしまうケースもあります。
住み慣れたご自宅で、大切なご家族と長く安心して過ごしてゆくために、気になることがあればすぐに医療機関などに相談するようにしましょう。
P・S 私は趣味でコントラバスの演奏をしています。休日に気ままに練習したり、時々ジャズバーに出演したりしています。愛器は作者不明のドイツの楽器ですが、150年以上前に制作されたもので、深みのある乾いた木の音がとても気に入っています。
人間も楽器も、ちゃんとメンテナンスをすれば永く健康に過ごせると思わせてくれますね!
あすかホームケアクリニック
院長 黒木卓馬
●訪問診療対応エリア●
北区・板橋区・豊島区全域
足立区・文京区・荒川区・練馬区・新宿区・川口市、戸田市の一部地域
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荏原ホームケアクリニック リウマチ・膠原病センターの古屋です。
前回「連続性ラ音」についてお話させていただきましたが、今回は副雑音②として断続性ラ音についてお話しようと思います。断続性ラ音を理解するためには解剖学的、組織学的な気管支や肺胞の特徴と換気力学の知識を利用することはもちろん、雑音の聴取されるphaseにより病態を推定する事が必要です。今回の目標は「聴診所見から病態を推測し、重症度や治療経過を判断する!」です。
前回も解剖の確認をしましたが、重要な事なので再度肺・胸郭の解剖を再度確認しましょう。聴診を行う時は、「胸郭の内側・肺の状態をイメージする」ことに加え、換気力学や気道の解剖・組織学の知識が重要です。まず、体表から胸膜腔と肺の状態を推定します。
触診可能な体表の指標により、胸膜腔と肺の正常な輪郭の位置を知り、肺葉と肺裂の位置を推定することができます。上方では、壁側胸膜が第一肋骨の上方へ突出しており、胸骨下部の後方では、心臓が左側にある関係で左臓側胸膜は右ほど正中線には近づいてはいません。下方で、胸膜は横隔膜上の肋骨弓で折り返しています。下の図のように、背部から見てみると、胸膜腔はTh12のあたりまで存在しています。肺尖部はTh1付近、肺の上葉と下葉を分ける斜裂(Oblique fissure)は背部正中近くでTh4の棘突起の高さにあります。斜裂は外側下方へ向かって移行し第4,5肋間隙を横切り、外側では第6肋骨に達します。また、前回やりましたが肩甲骨下角はTh7-9、腸骨稜頂上部がL4に相当し、その二つを結んだ直線の中点がおおよそのTh12に相当、そこが肺底部でした。さらに前胸部から側胸部第4-6肋間が中葉、舌区に相当します。これらのメルクマールを意識して聴診を行っていきます。
前回の復習ですが、副雑音は連続性ラ音、断続性ラ音に分けられます。今回は断続性ラ音についてお話します。断続性ラ音とはその名の通り断続的に細切れになっている雑音の事です。断続性ラ音はさらにfine cracklesとcoarse cracklesに分けられます。連続性ラ音の時は単音性と多音性に分けられましたが、断続性ラ音に関しては単音という事はありえないので、複数形のみです。crackleではなくcracklesと記載する点に注意です。
fine cracklesは「チリチリ」「バリバリ」と言った高調な音で、1回の呼吸で細かく、たくさん聴取されます。良く言われるのは「耳の近くで髪の毛をこすり合わせた音」、「マジックテープをはがした時の音」と表現されます。その音の発生原理は、直前の呼気で虚脱した気道の遠位部が吸気に伴い突然開放(圧較差の消失)することで生じると言われており、肺収縮する病態で聴取されます。つまり基本的には吸気時に聴取されます。また、その音の高さは気道の口径により変化し、気道の口径が小さいほど高調の音が、大きいほど低調の音が発生し、これは連続性ラ音の時と同様ですね。
肺胞が壊れている場合、肺胞呼吸音が聞こえるはずの聴診部位で高い音が聴取されるという現象が起きます。この現象を肺胞呼吸音の気管呼吸音化と言います。間質性肺炎や肺線維症などで聴取された場合は線維化が強く、かなり進行している状態であると考えられます。
さらに肺が収縮している場合は横隔膜の位置が挙上することも確認しておくと良いと思います。
これらのポイントを意識しながら聴診することで、患者さんの肺の状態、呼吸状態がある程度把握でき、予後の予測にもつながります。
肺病変のある患者さんを診察する時には肺以外に呼吸補助筋とばち指の有無も合わせて診ておくと良いと思います。
私たちの肺が膨張・収縮をするためには①横隔膜の下降・上昇運動による胸腔の上下径の増減②肋骨の上下運動による胸腔の前後系の増減という二つの方法を利用しています。正常な安静呼吸はほぼ①の方法で行われますが、呼吸補助筋を使用して②のように胸郭を広げることもできます。
呼吸補助筋のうち診察を行う上で覚えておいた方が良いのは胸鎖乳突筋と斜角筋群です。
胸鎖乳突筋は側頭骨の乳様突起から胸骨丙の鎖骨近位部に伸びる筋肉で、胸骨を上向きに引き上げる筋肉です。次に斜角筋ですが、斜角筋は前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋の3つがあり、前斜角筋・中斜角筋は第1肋骨を後斜角筋は第2肋骨を上に引き上げる筋肉です。
間質性肺炎や肺気腫といった慢性呼吸不全のある患者さんはこれらの呼吸補助筋が肥大してきます。間質性肺炎に関しては、胸鎖乳突筋よりも斜角筋の活動性が高いと言われており、胸鎖乳突筋とともに斜角筋の触診も重要です。斜角筋は胸鎖乳突筋の後縁、僧帽筋の前縁、鎖骨の中央部1/3で囲まれる後頸三角の奥に触知する事が出ます。写真は間質性肺炎の患者さんの斜角筋ですが、触診せずとも肥大しているのが目に見えますね。
次にばち指の観察です。ばち指とは指末節の結合組織が無痛性、局在性に増大する所見で、通常は対称性に出現し、足趾より手指で多い所見と言われます。定義が一応決まっており、①指節間の太さの比が1以上、②爪床角が190度以上、③Schamroth徴候陽性と言われます。このうち①、②に関して(下図左A)は知識としては知っておいても良いかと思いますが、長さを図って比を見たり、角度を図ったりするのは実臨床ではかなり使い勝手が悪いように思うので、簡単な理解で十分です。ぱっと①②を見て③Schamroth徴候から判断しています。
ここで本題から少しずれますが、ばち指の病態についてお話しておきます。ばち指になる原因はいまだ良く分かっていませんが、主病態は血管結合組織量の増加と言われており、Dickinsonらが病態について報告しています(Lancet. 1987;330:1434–5.)。
次にcoarse cracklesについて考えていきます。
Coarse cracklesはfine cracklesと比較して音は粗く低い、「プツプツ」「ブツブツ」「ゴロゴロ」という音です。その音の発生は、空気が気道を通過した際に分泌物がはじける音と閉塞していた末梢気道が吸気に伴い突然開放した時の開放音です。聴取される代表的な病態が細菌性肺炎です。
肺炎に関して、コモンな疾患ですので肺の生理学的・解剖学的な機能から少し病態を考えておきます。肺炎を理解するにあたり、まず気道の解剖と感染防御機構についてお話しておきます。
我々の気道は鼻腔、喉頭から始まり気管→気管支→細気管支→呼吸細気管支ときて肺胞管、肺胞となります。その間で23分岐すると言われています。ここで、口から気管支までを上気道、細気管支から肺胞までを下気道と臨床的に定義します。上気道は空気の通り道、下気道はガス交換の場です。肺炎は下気道の炎症ですので細気管支から肺胞に炎症を来す疾患です。
気道には感染を防ぐための防御機構が備わっています。
まず、微生物の最初の侵入門戸は鼻腔です。鼻腔の入り口には鼻毛があり、ここが最初のトラップになっており、ここで大きな粒子を捕捉します。その奥は上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介といった複雑な構造になっており、ここで空気の乱流を作ることにより異物を粘膜へ捕捉し咽頭へ移送し嚥下されるようになっています。(咽頭への移送に一役買っているのが鼻腔の上皮に絨毯のように敷き詰められている線毛です。線毛は毎秒10-20回の波動を繰り返しており、鼻腔内の線毛は(下流方向)咽頭方向へ、肺の線毛は上流方向へ波動します。) 鼻腔の奥に待っているのは活性化されたリンパ球の大群が控えている扁桃腺があります。ここは感染防御の最初の砦であり多数の扁桃腺を配置しており、それらを合わせてワルダイエル咽頭輪と言います。ここで、扁桃腺だけではなく咽頭後壁にも活性化されたリンパ球が多数存在していることから咽頭自体がリンパ組織と言っても過言ではありません。
咽頭からさらに奥に入ると上気道が待っています。ここからは気道が幾重にも分岐し迷路のようになります。気管支が分岐していることにより異物を捕まえることができ、あとは線毛上皮による浄化作用と咳嗽で外へ異物を追い出します。その後下気道に入り、終末細気管支以降になると、ここまで活躍してきた線毛もなくなります。そして、この先を守っているのは肺胞マクロファージです。ここまで侵入した微生物はマクロファージに貪食され排除されます。
このように、気道には微生物や異物から体を守るために厳重な防御システムを構築しています。少し長くなりましたが、これらの防御システムが破綻すると細菌が肺胞まで到達し、肺胞マクロファージに貪食され免疫応答を起こします。この場合好中球が肺胞内に遊走し、肺胞内を充満する形で病変が伸展します。その結果、気道の分泌物(喀痰)が増えるためcoarse cracklesを聴取するわけです。
ここで一つ特殊な菌であるマイコプラズマについて触れておきます。マイコプラズマは一般的な肺炎を起こす細菌とは異なり、感染する部位は線毛です。線毛は上でお話した通り終末細気管支までしかありません。つまりは、感染しても肺胞マクロファージを刺激しにくいため分泌物や炎症物質はそれほど増えず、末梢まで炎症が届かないため体表からの聴診所見に乏しい、線毛が元気な方が感染しやすいため若者に多いといった特徴があるわけです。非定型肺炎の診断に使用する基準もこれで説明可能です。
このように細菌性肺炎はcoarse cracklesを聴取しますが、肺胞の機能が障害されているため「肺胞呼吸音の気管呼吸音化」も生じるので、合わせて評価できると良いと思います。
<今回のまとめ>
今回は肺の聴診(副雑音②断続性ラ音)について考えてみました。患者さんの呼吸状態を把握する上で、聴診は重要であり、正常からの逸脱を意識することでさらに病態の理解が深まります。
最後にもう一度言いますが、「聴診所見から診断名をつけるのではなく、病態を推測する!」これが重要です。日々訓練をしながら正確な評価ができるようにしていきたいですね。
身体診察はやればやるほど奥が深い!
<参考文献>