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 訪問診療から見つけたこと

こんにちは。昭和大学北部病院研修医2年生の中江星子です。

地域医療の枠で2月の4週間を荏原ホームケアクリニックで

研修させていただきました。

 

訪問診療というと、田舎や昔に行われていたイメージが

ぼんやりとある程度でしたので、実際に同行させていただいて

日々驚くことばかりでした。

診療行為の行い方、患者さんとの距離感、スタッフとの連携 などなど、

大学病院では見られなかったことが沢山ありました。

 

診察で使う道具は、聴診器、血圧計、サチュレーションモニター、先生の身体。

患者さんの顔を見て、話を聞いて、身体を触って動かして、五感(六感)を

フル活用した診察は今までいかに検査機器やデータに頼ってきたかを

思い知らされました。

 

患者さんとの距離感も非常に近く、生活に密着したものでした。

大学病院が疎だという訳では決してないのですが、それぞれの特性を感じました。

先見の明をお持ちの院長藤元先生をはじめ、クリニックのスタッフは

皆さん個性豊かで仲良しです。季節ごとの行事を大切にしていて、

節分には豆まきをして恵方巻きを食べ、バレンタインデーには

チョコレートケーキを食べ、スキー旅行も開催されていました。

とても親切にしていただいて居心地の良い空間でした。

 

私は4月からの入局先が決まっていて、これから専門性を究めていくことを

とても楽しみに思っていました。しかし、もっと医療の根本的に大切なところ、

それ以前に人として忘れてはいけないことを思い出させてくれた日々でした。

この4週間は癒しの日々であり、試される日々でもあり、

大学病院で過ごしていては感じられない出来事をたくさん経験しました。

 

貴重な機会をいただけたことにとても感謝しています。

どうもありがとうございました。

 

 

 在宅医療を通して

研修医の松本と申します。

1月の1ヶ月間、荏原ホームケアクリニックで研修をさせて頂きました。

普段は大学病院の患者さんの診療にあたっておりますが、

在宅で患者さんを診る、という体験をさせて頂き、

大学病院を退院された後の患者さんの姿をみているようでとても貴重な毎日でした。

 

大学病院で患者さんが退院されるとき、普段は病衣を着て

病室のベッドで過ごされている方が、

いつもの服に着替えてしゃきっと帰って行かれる姿が、私はとても好きです。

しかし、帰って行かれた後、実際どんなふうに生活されているかを

拝見する機会はありませんでした。

 

今回の研修で在宅医療を経験し、自宅での生活の大変さ、

その中でも自宅にいられることの自由さと安心感、

ご家族の御苦労や工夫や愛情を感じて、

大学病院を退院された患者さんの生活が垣間見えたように思います。

 

ここが医療の原点だと感じました。

 

私の恩師が「知識・技術・心の3つがそろっていなければ医師じゃない」

と言ったのを思い出します。

在宅医療の現場では、まさにこの3つを兼ね備えていなければ成り立たないんだな、

と痛感しました。

どれもまだまだ未熟な私なので、修行あるのみです。

 

私はノーマンロックウェルのDoctor and Dollという絵が好きです。

女の子が連れてきた人形の診察をする医師の絵です。

実際の医療現場でこんなことはなかなかないですが、

最先端の医療×こういうあたたかさが根底にあればいいな、と思います。

 

クリニックの皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

 

 訪問診療から学ぶ。

どうも、はじめまして。研修医の宮上修と申します。

年末の1か月間、荏原ホームケアクリニックにて、

訪問診療の勉強をさせていただきました。

 

まず最初に、ホームケアクリニックという診療体系、

そしてホームケアを都内で行っているということに大変興味を持ちました。

というのも私の家族は、離島で病院や福祉施設を運営しており、

その中で高齢者を対象に訪問診療や往診を行っていたからです。

 

しかし、これまでに私は訪問診療に携わったことが一切なく、

大学病院にいては一生経験出来る事がないものだと思っていました。

そして、早いうちに一度訪問診療に携わってみたいという思いで、

当クリニックを選択しました。

 

はじめは訪問診療で何をしているのか、全く想像がつきませんでした。

1か月の研修でわかったことは、診療内容や、患者さんに対する姿勢は

他の医療施設大学病院と全く変わらないということでした。

患者さんからの電話に嫌な顔ひとつせず応え、緊急往診をする姿はまさに、

ドクターコールで病棟に駆け寄る医師の姿であり、

救急病院で急患に応じる医師の姿そのものでした。

各患者さんのご自宅は、病院でいうところのベッドなのだ!という風に思いました。

むしろ無床診療所に比べると、責任ははるかに大きいのではないでしょうか。

 

その点で、医師やスタッフの業務は想像を超えるハードワークでした。

それを日々こなしておられる院長先生やスタッフの思いや考えには

芯が通ったものを感じました。

そういう中、私が診療に加わることは業務の妨げになるのではないかと

心配しながら同行しておりました。

しかし院長先生や川口先生は熱心に指導してくださいました。

私の同行によって1件あたりの診療に時間がかかることで、

スタッフや患者さんにも迷惑をかけたと思います。

それにもかかわらず、みなさんは常に笑顔で親切に接してくださいました。

ありがとうございました!とても感謝しております。

 

この経験が無駄にならないように、患者さんのためにこれからも

がんばっていくつもりです。

院長先生、川口先生、そしてスタッフのみなさん、

これからも体調を崩さないでくださいね。地域のみなさんのために!

 

 

 雨ニモ負ケズ

11月19日(土) 住友スカイビル47階で行われた

医療連携交流会なるものに参加して参りました。

当日は 傘が折れるんじゃないか(゜o゜) と思うほどのあいにくの豪雨。

にも関わらず、たくさん参加者の方がいらっしゃって

医療連携 に対しての問題意識の高さを伺わせました。

約2時間の講習会でしたが

東京都歯科医師会理事 中島 考至先生による

摂食・嚥下に関しての講義に始まって

東京都医師会 地域福祉委員会委員 堀田 富士子先生の

在宅リハの導入~現状に関してのお話し、

東京都医師会理事 平川 博之先生の

医療関係者側に対して”心のケア”についての講義と

名刺交換会なども設けられるなど、かなり内容の濃い2時間でした。

医療連携 とは関係してくる事業所の連携を指します。

例えば、大学病院で受入れしている患者さんが

在宅を希望していれば、当法人のような在宅専門医と連携を取ります。

在宅療養の限界が来て入院の必要がある時は

入院が出来る病院と連携を取ります。

たったそれだけの流れでもたくさんの人たちが動いているということを

医療従事者は常に念頭に置かなければならないのです。

DRがいて、NSがいて、ソーシャルワーカーがいて、

ケアマネジャー、作業療法士、訪問看護師、薬剤師、

ヘルパー、医療事務員 などなど、職種問わず一人一人の責任は決して軽くはありません。

そしてその重なった力が、患者さんをフォローするという形に

変わって行くのだと私は思います。

医療連携 と一言で括ってもそこには深い意味合いがあるのだと

改めて感じた1日でした。

おまけになんとこの研修会、

「介護職員・地域ケアガイドブック」と「介護職員向けの用語集」のプレゼント付!

長谷川先生も一緒。

思わぬ方と遭遇!

またこういった機会があったら参加させて頂こうと思います。

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そして、そしての余談・・

女子2人が嬉しかったことは長谷川先生(城南ホームケアクリニック院長)を

独り占め状態なところだったりしたのでした。

とっても綺麗なツリーで、テンションMAX。

女子 「あ!ツリーだ!写真!先生写真撮って下さい!」

長谷川先生 「・・・遊びに来たって思われるんじゃ・・」

女子 「ツリーと写真撮りたーい!」

で、先生に写真を撮って貰う始末。

来月はクリスマス。

クリスマスが過ぎればもう2012年は目前。

1年は早いものです。

寒さも一段と厳しくなってまいりましたので

みなさまお身体ご自愛下さいネ。

 患者をみる

10月に荏原ホームクリニックで研修させていただいている2年目研修医加賀です。

 

地域医療としてここの研修を選択した理由は、私の研修している大学付属病院の

脳神経内科の先生に紹介されたこと、もともと将来開業志望があり

地域の患者さんとの関わりを学びたいと思ったためです。

 

訪問診療という言葉はよく聞いていましたが、実際どのような医療を

どこまで行っているのか全く知りませんでした。

しかし、実際に研修をしていく中で検査機器が揃っている大学病院とは異なり、

限られた検査で診療を行っており、改めて、問診、診察の大切さを実感しました。

先生方は診察にて患者さんのそれぞれのどこにお肉がついてどこが痩せたかなど

以前とどう身体が変化したか、身体をくまなく触って診察することで

細かい身体の変化まで把握しています。

 

私は研修病院ではそこまで身体を細かく触ることができておらず、

一般的な身体所見のみで日常と比較して身体の筋肉や脂肪が

どう変化しているかまで考えたことはありませんでした。

しかし、患者さんの栄養状態を把握する上でとても大事なことであり、

特に在宅では経口摂取が困難であり胃瘻が造設されている患者さんが大変多く、

口腔内が乾燥していないか、皮膚のハリがいつもと異なるか、

手足が細くなっていないか、逆に浮腫んでいないか等、

栄養状態を把握する診察をするのはもちろんですが、

その細かい変化に気づくためには日常毎日しっかり患者さん達の身体を触って

診察していくのが大事だと思いました。

 

また、ご高齢のため様々な疾患を抱えている患者さんが多いと感じました。

糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、心疾患はもちろんのこと

認知症やパーキンソン病、脳梗塞などにより寝たきりになっている患者さん、

気管切開、胃瘻造設、尿バルーンカテーテルにより呼吸状態、食事、尿量を

管理されている患者さんがたくさんいらっしゃいました。

 

この患者さん達の診察・治療を行うのはもちろんですが、

その患者さんを支えていく家族のケア・管理していく上での

身体的・社会的なフォローを行っていくのが訪問診療の役割の一つだと実感しました。

 

独居の方もいらっしゃって、そういった方は、

ヘルパー、デイケア、看護師、ケアマネジャーと協力し話し合って

方針を決めており、ただの医療だけではなく社会的背景を踏まえた上で

地域の医療従事者達と連携して患者さんを診(看)ていく大切さを学びました。

 

私の祖父は不整脈でペースメーカー、腎不全で透析、大腸癌で結腸切除術、

腹部大動脈瘤で人工血管置換術を受けています。

また、祖母は脳梗塞によりブローカー失語、大腸癌で結腸切除術を受けており、

祖父と二人で暮らしております。

祖母は潔癖症で他人が家に入ってくるのを拒む人のため、

私の母が食事・洗濯・金銭・仕事の面倒、病院の受診・入院の面倒をみております。

私の母も介護により、足に負担がかかり軽度の右変形股関節症が出てきています。

 

今はなんとかうまくいっていますが、いつか共倒れする可能性もあります。

このように、実際自分の家庭で介護問題があるため、

今回の研修では自分の家庭と照らし合わせながら、

訪問診療について考えることができました。

 

今回は一か月という短い期間の研修でしたが、今後開業をする前に

もう一度勉強しに参りたいと思いました。

 

一ヶ月間、どうもありがとうございました。

 

 

 1ヶ月の研修を終えて

はじめまして、こんにちは。

10月の1か月間、主に城南ホームケアクリニックで地域医療の

研修をさせていただいております2年目の研修医釋尾(しゃくお)です。

私は、ここのブログを書かれている研修医の方々と一緒に

普段は大学の付属病院で研修をしています。

 

3月の地震の影響で、4月に決まっていた地域医療の病院の受け入れができなくなり、

好きなところをもう一度選択していいといわれ、

今回こちらのホームクリニックでお世話になることになりました。

私がここを選択したのはここで1か月間研修をさせていただいた

研修医の方々の評判がよかったからです。

 

評判通り、荏原、城南ともに院長先生方をはじめ、

スタッフの方々もとても優しく、ここにして正解でした。

 

「訪問診療」

普段大学病院にいる私はこの「訪問診療」の大切さを忘れていました。

日々一緒に同行させていただく中で、これこそ医療の原点、

そしてむしろ最先端だと感じました。

もちろん大学病院のように高度な医療機器がそろっていて、

最新の治療を行うことも大切な医療の形の一つで、最先端の医療だと思います。

しかし、末期がんの患者さんなど最期を自宅で迎えたいと望んでいる方たちが、

病院で亡くなることの方が多い現状の中、日々在宅、訪問診療を基盤に

医療を行っているこのホームクリニックはある意味最先端だといえます。

 

本来の医療というものは患者さん、ご家族が中心となり、

私たち医療者はお手伝いをするというのが理想の形だからです。

 

私の母方の祖母は直腸がん、祖父はアルコール性肝硬変で最期は病院で亡くなりました。

祖母が亡くなったのは私が生まれてすぐの時だったので覚えていませんが、

祖父が亡くなったのは私が大学1年生の時でした。

 

酒とゴルフと旅行が大好きな祖父は私が病院にお見舞いに行く度に

「家に帰りたい。帰るんだ。」とそればかり口にしており、

無理を言って外泊させてもらっていました。

私は医師になってから出会った患者さんが

「退院したい。早く家に帰りたい。お願い、帰らしてくれ。」と

訴えるのを聞くたびに祖父のことを思い出します。

 

誰もが皆入院はしたくありません。家に帰りたいのです。

もちろん社会的、経済的理由から在宅医療という形がとれずに

入院せざるを得ない場合もあり、すべてを在宅医療へというふうにはいきません。

しかし、身体的理由で通院困難な患者さんにとって、

在宅医療、「訪問診療」は必要不可欠です。

 

この医療の理想を追求し、現実に変え、

広めていくという素敵な姿勢のホームクリニックで1か月間、勉強させていただき、

これからの自分の糧になると思います。

 

最後に、長谷川先生をはじめとします先生方、スタッフの方々、

研修に協力していただいた患者さん、ご家族の方、

ここで出会ったすべての方に感謝します。

 

本当にありがとうございました。

 

 研修医とご縁

研修医の山口です。

1か月間城南ホームケアクリニックで地域医療の研修をさせていただきました。

 

前の二人の研修医が地域医療について僕の言いたいことを

すでに書いてしまっているので、少し違う視点で書いてみたいと思います。

 

僕は大学を出た後研修をスタートしたのですが、

少し事情があって4年間休職していました。

その後復職して中断していた研修を再開させたのですが、

4年間のブランクはかなり大きく、今まで身に着けていた知識・手技といったものも

すべて忘却の彼方で、ほぼゼロからの再スタートとなりました。

 

途中から研修に合流したため、最初は他の研修医の先生にくらべて

劣等感を感じる場面も多く、みんなが涼しい顔して仕事をこなしていく中、

一人冷や汗をダラダラ流しながら仕事をするということがしばらく続きました。

 

そんな時心の支えになってくれたのが、休職前に一緒に研修をしていた

元同期の人たちでした。

 

彼らは友人として、先輩医師として、わからないことの相談に乗ってくれたり、

仕事を手伝ってくれたり、適切なアドバイスをくれたり、様々な形で支えてくれました。

そういう支えを受けながら、徐々に仕事に慣れていき、

他の研修医の先生とも段々と打ち解けていくことができました。

 

そして偶然というのは面白いもので、何気なく地域医療の研修先として

選択した、ここ鳳優会でかつての同級生に出会ったのです!

 

川口先生は僕の大学の同級生なんですね。

 

お互い荏原ホームケアクリニックと城南ホームケアクリニックだったので、

直接会うのは週に1、2回でしたが、時に指導をしてもらい、時に飲みに行きと、

充実した時間を過ごさせていただきました。

 

川口先生だけでなく、荏原ホームケアクリニックの藤元先生、

城南ホームケアクリニックの長谷川先生、奥村先生をはじめとした

鳳優会のスタッフの方々、研修にご協力いただいた患者さんのおかげで、

楽しく、有意義な地域医療の研修をさせていただきました。

 

1か月間どうもありがとうございました!

 

 

 訪問診療の現場で

8月の1か月間、荏原ホームケアクリニックで研修をさせていただいています、

2年目の研修医です。

今日はこの1か月で学んだこと、感じたことの一部を、

書かせていただきたいと思います。

 

私は普段、大学病院で研修医として働いています。

約1年半、病院に勤務して、様々な患者さんに出会ってきました。

入院して良くなって、退院していく患者さんも

もちろんたくさんいらっしゃいましたが、様々な事情から、

なかなかおうちに帰れない方にも、多く出会いました。

 

「先生、家に帰りたいんです。家に帰ったら、きっと具合も良くなる気がします」

 

そんな訴えを聞いて、なんとかその人が退院できないか考える中で、

制度やサポート体制の問題など、患者さんの体調以外の様々な障害につきあたって、

歯がゆい思いをしたことも、1度や2度ではありません。

 

そんな中で在宅医療に触れる機会を得て興味を持ち、

こちらのクリニックでの研修を決めました。

 

訪問診療に同行させていただいて強く感じたことは、

患者さんと先生方の関係の深さでした。

 

高度な医療機器もなく、検査も限られる訪問診療の現場では、

患者さんやご家族の言葉や、毎回の診察の所見が、

その方の状態を把握する最も重要な材料です。

 

毎回丁寧にお話を聞き、1つ1つ診察していくことの大切さを、改めて感じました。

患者さん1人1人、病気の状態も家庭環境も違います。

先生方は、それをひとつひとつ考え、1人1人が望む場所で望む

医療を受けられるように、と心を砕いていらっしゃいました。

 

訪問診療の現場では、様々な職種の方々が、様々な角度から、

患者さんやご家族とともに、その生活を支えていこうとしています。

病気を診るだけでなく、その生活を守るということが、

患者さんやご家族にとってどれほど大切か、肌で感じることができました。

今回クリニックで勉強させていただいて、

病院で働いているだけではわからないことを、たくさん知ることができました。

これからも、患者さんやご家族の立場に立って、

それぞれの生活を考えるという視点を忘れず、勉強を続けていきたいと思います。

 

どうもありがとうございました。

 

 

 日々の訪問診療で気付いたこと

私は研修医二年目で地域医療の一環として、荏原ホームケアクリニックで

1ヶ月間お世話になっている医師です。

普段大学付属病院で研修生活を送っている私は『訪問診療』といった

まったく異なるパターンの医療提供は非常に新鮮でした。

 

まず第一に、お医者さんと患者さんとの距離の近さです。

患者さんのお宅にお邪魔して、定期診察を行う先生方の様子は

居住空間にすんなりと溶け込んでいました。

 

「今日も暑いね。」

「今日のお昼はなにを食べるの?」

気軽な声かけから、患者さんの緊張がほぐれ、笑顔が生まれます。

「先生が来るのを、今朝早くから待っていたんだよ~」

「暑かったでしょ、アイス食べていきなさい」

近所のおじいちゃん、おばあちゃんのお家にいるような錯覚に陥るほど

あたたかな光景がありました。

 

病院と異なり少ない機材で患者さんの変化を読み取り必要な治療を行っていくことは、

検査機器が揃っている病院の診療よりも経験と知識が必要なことも実感しました。

また、毎回おなか周りを触れることで栄養状態がわかり、

舌をみることで脱水の状態を知ることができる。

このような、診療の原点といえる身体診察の重要性を再確認することが

たくさんありました。

そして、医療において基盤となる『人と人とのつながり』の大切さを感じました。

良好な関係を築いているところには必ず『笑顔』があります。

自分の笑顔が相手の笑顔を誘い、相手の笑顔に自分も誘われます。

気軽な声かけによって、笑顔がうまれ、関係性がぐっと濃くなります。

医療を提供する側とされる側という関係性から、より親密な関係へと

発展するのでしょう。

その関係性は日々の診療で患者さんと真摯に向き合っていく過程から生まれた

賜物であり、自分自身のやりがいにつながっていくことが身をもって体験できました。

 

この研修期間を通して、いくつもの医療の原点を見直す機会を頂けたと思っております。そして、日々『一生懸命』を続けていくことで結果が生じ、

不思議と『ワクワク楽しく』医療職を全うすることができることを学びました。

今後ここで得られた貴重な経験を生かし、

医師として日々成長していけたらと思っております。

 七夕まつり

訪問の帰り、クリニックに帰ろうと看護師さんが歩いていると、

商店街のとある店舗に「笹、ご自由にどうぞ」の張り紙が・・・。

“これはぜひ、星に願いをしよう!”と、看護師さんが笹を担いでクリニックに帰ってきた。

夕方、それぞれ短冊に願い事を書いてみた。

笹をもらってきてくれた看護師さんによると「願い事は2つまで」と・・・。

(もしかして☆ではなく、看護師さんが私たちの願い事をかなえてくれるのかな・・・?)

2つの願いごとに、皆一生懸命考えるに考えた。

考え始めると2つになんて納まらない!

散々悩んだみんなの短冊には・・・

『交通安全』『便通が良くなる様に』『健康第一』などなど。

考えた割には、みんな現実的なお願いごとでした。

 

在宅療養されている患者さんにも、訪問した際に季節感を味わってもらえるようなお話しを提供できることや

毎日走りまわっているスタッフも、季節を味わう心のゆとりを持てることを大切にしていきたいものです。