荏原ホームケアクリニックでは、6月下旬から新型コロナウイルスワクチンの接種を開始します。
そこで、皆様からの、よくある質問について当院のアレルギー専門医がお答えします。
Q 接種するワクチンはどのワクチンか。
A. 当院では、ファイザー社のワクチン「コミナティ」を使用します。
今後、他のワクチンも使用する可能性はありますので、気にされる方は事前にお問合せください。
Q 気管支喘息の治療をしているが、ワクチンを接種できるか。
A. 基本的には、接種可能です。
ただし、喘息発作がでているときは、接種を延期したほうがよいと思います。
Q ワクチンを打てないのは、どのような人か。
A. 接種当日に熱があったり、体調が悪かったりする時は接種を延期してください。
1回目のワクチンで重度の過敏症を起こした方は、2回目の接種をうけられません。
また、「コロナワクチンの成分*」に対して、重度の過敏症のある方は接種することができません。
Q 上記の「コロナワクチンの成分*」に対する過敏症とは具体的には何ですか。
A. コロナワクチンで過敏症をきたす可能性がある成分として、
ポリエチレングリコール(PEG)が指摘されています。
また、PEGと似た構造をもっているポリソルベートを含む薬剤に対して過敏症のある方も注意が必要です。
その他にも、不特定多数の医薬品でアナフィラキシーを起こしたことがある、
原因不明のアナフィラキシーを起こしたことがあるという方は、特に注意が必要です。
Q ポリエチレングリコール(PEG)とは何ですか。
A. PEGは、食品、化粧品、医薬品に広く使用されており、コロナワクチンが十分に効果を発揮するためにも重要な物質です。
ファイザー社とモデルナ社のワクチンは、「mRNAワクチン」と呼ばれますが、「mRNA」は壊れやすく、それをつつむ脂質膜の安定のためにPEGが使用されます。
ところが、このPEGが、ごく一部の方に過敏症を引き起こしてしまうかもしれないと考えられています。
ちなみに、コロナワクチンによるアナフィラキシーが男性より女性に多いことから、日頃使用している化粧品による「感作」の影響も考えられています。
しかし、新しいワクチンなので、重度の過敏症(アナフィラキシー等)がおこる明確な機序はわかっていません。
初めてのワクチンですから不安なお気持ちになられる患者様もいらっしゃると思います。
ご質問がありましたら、主治医にご遠慮なくお声かけください。
また、ワクチン接種は強制されるものではありません。
在宅での接種には、副反応を生じたときの初期対応にリスクも伴いますので、
ご家族や主治医とよく相談し、接種するか決めていただくようお願い申し上げます。
ご希望される患者さまが誰一人として取り残されることなく、
ワクチンを接種できるように努めてまいります。