つい1か月ほど前のまだ寒い土曜日、当会の仲良し女子グループにお誘いをうけた。午後に池袋で会合があったので、ちょっと早めに出て久々に都外へ。
指定された場所は静かな公園の中にあり、追い立てられる毎日を忘れさせてくれるような心地よさに少しだけ散策。

春の予感を堪能しながら池向こうの美術館に到着した。

さてなにが始まるのだろう、プチ旅行気分でもう満足してしまっているのだが、入口に貼られたポスターに目をやる。

どうやら書展のようだ。達筆すぎるあまり、
“書類が読めません!”
というクレームが常態化している身としては、縁の薄い領域だ。
館内に入ると外とは対称的に盛況、静かな熱量を感じる。文字を単なる記号として記載するだけではなく、魂を揺さぶる造形として意味以上のメッセージを伝える芸術に昇華させているのだと理解したころに、

彼女がいた。
日頃ほぼすっぴん髪振り乱し訪問診療をサポートしてくれているさまが、まるで幻であるかのような静かな雰囲気をたたえている。そしてこれがその作品。

“やじま、おまえ、すごいやつだったんだな(感動・泣)・・・”
いま一生懸命地域医療に尽力している当会矢島アシスタントは、幼少期から書の修行も続け、今ではその筋で有名な人物になっていることを知った。
一つのことに熱中して継続できる、ということは、それ自体がとても優れた才能だと思う。その結果成し遂げた作品を観ながら、グループの将来を担う頼もしい存在になっていくのだろうと期待を膨らませた。
取り急ぎ、手書きの書類は彼女に頼もうかな。
藤元
