我が家では数年前から海の魚を飼うのがブームです。
といってもペットショップで買ってくるのではなく、網ですくうのが基本です。
潮が引く時間を調べ、磯の水溜りに取り残された魚を狙います。
一応、親子のコミュニケーションや子供の情操教育のためなどと
理由をつけたりしているものの、親の方が夢中になって網を振り回したり、
ひっくり返ってびしょぬれになったりしています。
最初のころはハゼでもなんでも、喜んで持って帰っていたのですが、
だんだん変った魚を捕まえたくなり、そうした魚がいそうな磯場を探しまわっています。
そんな我が家の去年のヒットは、なんといってもカエルアンコウでした。
聞いたことがないかもしれませんが、数年前まではイザリウオと呼ばれていたものが
イザリというのは足が不自由な人の差別用語ということで名前が改められたとのこと。
その他にも差別的意味合いを名前に持つ30種類の魚の標準和名が
2007年に変更されたそうです。
一部には行き過ぎではないか、言葉狩りではないかとの意見もあるようですが、
それはさておき、私としてはカエルアンコウという呼び名の方がかわいくて好きです。
ちなみに写真のカエルアンコウは子供たちがケロちゃんという名前をつけました。
この魚の特徴は、なんと言っても歩くことです!
胸ビレが手の様になっていて、それで水底を歩いたり、
水草をつかんで体を支えたりするのです。
そしてもう一つの特徴は、他の魚をおびき寄せて丸のみしてしまうことでしょう。
口の上に、先端に餌のようなものがついている小さな棒があるのですが
お腹が空いてくるとその棒をピコピコ振って、他の魚が餌と間違えて
近づいてくるのを待ちます。そして十分に近づくやパクっと丸のみしてしまうのです。
時として自分より大きい魚を飲み込んでしまうこともあります。
普段はのそのそ歩きまわっているくせに、餌を飲み込む時には
目にもとまらぬ素早さであり、初めて見た時は家族一同呆然としました。
そんなケロちゃんですが、餌をくれ~と、釣り竿のような棒をピコピコする姿の
かわいさについつい小魚を与え過ぎてしまったところ
食べすぎで死んでしまいました。
またケロちゃんに会いたくて、今年も磯に通うことになりそうです。