川口です。
もう梅雨ですね。傘が手放すことが出来ない季節になってきました。今回からのテーマは胃瘻(いろう)についてです。数回に分けて説明していきます。
患者さん、御家族より胃瘻についての質問される事がしばしばあります。
Q 胃瘻ってどのような物なの?
内視鏡(胃カメラ)を使って“お腹に小さな口”をつくる手術の事です。病院に入院して行います。
取り付けられた胃瘻の器具を胃瘻カテーテルと呼びます。
Q どのような人が胃瘻をつくるの?
病気が原因で口から食事がとれない方、食べてもむせこんで誤嚥性肺炎をくりかえす方などが挙げられます。
必ず作るものではなく患者さん、御家族にしっかり説明を行い同意を得たうえでつくります!
Q 胃瘻から何を入れるの?
栄養剤(医師が処方するもの、市販のものなど)、白湯、もちろん薬も入れる事が可能です。
豆知識
薬の投与方法は薬局で粉砕にしてもらい白湯に溶かして投与する方法と簡易懸濁法があります。
簡易懸濁法とは、錠剤やカプセル剤を粉砕・開封せずにそのまま温湯に入れて攪拌し、しばらく時間をおいて薬剤が崩壊・懸濁されたら注入器を使用し投与する方法です。
Q 胃瘻をつくったら口から物を食べてはいけないの?
もちろん、口からも食べる事はできます。
口から食べたものが胃瘻から飛び出てくる事はありませんので心配いりません!
Q お風呂に入れますか?
可能です。湯船にも入れます。特に何も覆う必要はなく普通に入浴して体を洗う事が可能です。
清潔に保つことが大切です!
Q 胃瘻をつくったら家で生活できるの?
胃瘻の取り扱い方は簡単です。病院でしっかり使い方を教えてくれます。在宅療養に不安があるようであれば訪問医、訪問看護を導入する事も可能です。
私の担当している症例では、90歳の御家族が取り扱っているケースや患者さん自身が一人で取り扱っているケースもあります。
Q 胃瘻をつくったら一生そのままなの?
口からしっかり問題なく食べる事ができるようになったら必要ありません。そのまま残しておくか、取り除いてしまう事も可能です。
胃瘻を取り除いたら胃の粘膜は大体3~4週間程度で修復され、お腹の傷口もあまり目立たなくなります。
胃瘻を取り除いたら胃の粘膜は大体3~4週間程度で修復され、お腹の傷口もあまり目立たなくなります。
さて今回はこれくらいにして次回は胃瘻の種類、実際に胃瘻を使う時の注意点などをテーマにします。次回がアップされる頃は梅雨明けしているでしょう。皆さん、夏バテしないように頑張っていきましょう!